2015年度 第1回「いろりばた」報告

日 時:201575 () 13301530
場 所:日本キリスト教団 平安教会 礼拝堂
テ―マ:「死の力 ― 死と共に生きる ―」
発題者:朴(パク) シネ 氏
紹 介
2002年韓国メソジスト教団(KMC)宣教師として来日。
2013年立命館大学大学院文学研究科人文学専博士課程修了。
・日本基督教団ゴスペルハウス教会所属。

参加者:51     男 (21) (30)

[報告]
雨の予報を裏切り、かすかな日差しの覗く日曜日
の午後、2015年度第1回「いろりばた」が開催された。
朴シネさんは前日から、講演の準備のために教会を訪れ、111
この日のためのレジュメを用意して下さった。
著書『死の力』は、若き日に弟さんの死を体験された
シネさんの心の軌跡を一冊の学術書として出版されたもの
である。その経験を通して「死と共に生きる」とは何かを
パスカルの『パンセ』を手掛かりとして語られた。
パスカルは死を見つめる二つの視線を取り上げている。

1.知の立場:人間存在の根源に死があるという揺るぎ
ない現実に対して現状を直視すること (徹底的な絶望)
2.信の立場:絶対者としての神を信じることによって自分自身を知ること (希望)
絶望の中にある死の陰を通過して、我々は永遠の世界へと進んでいく。「恐れおののきつつ自分の救いを達成する」というパウロの言葉 (フィリピンの信徒への手紙2章12節) とも共通している。死を通して他者に気づくとは、仏教では「大悲」キリスト教では「アガペー」であるという。自分も他者も同じ死と関わる存在であることを自覚する時、他者に対する「労りの思い」が愛の自覚へと導いてくれる。音楽、絵画、詩などを交えながら「死と共に生きる」ことの意味を語って下さった。今回、難解ではあるが、私たちに共通するテーマを与えられ、今一度信仰について考えを新たにさせられた講演であった。   (記録 大泉)

 

2015年度第1回「いろりばた」報告